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平成17年は、皇室典範の改定という話題が急浮上し、それに対して賛成派、反対派それぞれが集会を開き、 新聞・テレビニュースなどの報道各紙を賑やかす事態となりました。
様々な立場から、色々な意見が出ておりましたが、皇室の祖神である天照大神をお祀りする伊勢神宮、 伊勢神宮を本宗とあおぐ神社界の立場から、皇位継承について述べていきたいと思います。
まめ知識『靖国神社』と同様に、 インターネットフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 の 「皇室典範」、 「皇位継承」、 「皇族」、 「皇位継承問題(平成)」 を参考にして以下に掲載致します。

皇位継承について

日本国憲法 第2条
「皇位は、世襲のものであつて、國會(国会)の議決した皇室典範の定めるところにより、 これを繼承(継承)する。」
皇室典範 第1条
「皇位は、皇統に屬(属)する男系の男子が、これを繼承(継承)する。」

とあります。
現在、愛子内親王殿下(テレビ報道などでは親しみを込めて『愛子さま』と呼ぶところが多いですが、 正式にはやはり「内親王殿下」ですね)の 生誕など、天皇直系の皇位継承者の終端に女性しかいないと言う事実があります。



その事実に対して、皇室典範第1条の「男系男子が継承」という部分が引っかかってきていまして、 「皇位継承者がいなくなるじゃ〜ん!まずいじゃ〜ん!!」という大変自然な危惧から 女性天皇及び女系天皇の可能性も含めた議論が起こっているワケです。

インターネットフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』皇位継承」 では、弥生・飛鳥時代から現在までの皇位継承に関する事件や特筆すべき点が、非常に判りやすく整理された形で 記載されています。
ここに引用するには長すぎるので、是非 「 インターネットフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』皇位継承」 にジャンプしてご覧下さい。

皇室典範をみてみよう!

皇室典範とは、皇位の継承順位などの皇室の制度・構成等について定める日本の法律です。
皇室典範には、大日本帝国憲法時代のもの(明治22年2月11日裁定(勅定))と、 日本国憲法下のもの(昭和22年1月16日法律第3号)とがあって、 前者は後者と区別するために、旧皇室典範と呼ばれることが多いようです。
旧典範は憲法と同格で法律ではなく、この点が現行の典範との大きな違いの一つとなります。

  皇室典範の原文はこちらをクリック
  旧皇室典範の原文はこちらをクリック
  皇室典範増補の原文はこちらをクリック

【旧皇室典範】
大日本帝国憲法体制下での旧皇室典範は、憲法と同格の国家基本法。
ただ、時期によって位置づけが違うので注意しなければならない。 旧皇室典範は制定当初は皇室の家法という性格が与えられていたが、 明治40年裁定の皇室典範増補制定で宮内大臣及び国務各大臣の副署がなされ且つ公布の対象となり、 国民も拘束するものとされた。
もっとも、明治40年の公式令制定などで宮務法と国務法の峻別が定められたことからもわかるように、 皇室典範が憲法の下にあるようになったというわけではない。・・・
さらに読み込む人は こちらをクリック!!

愛子さまは天皇にはなれないの???

現在(平成18年5月)、皇位継承・皇室典範の改正に関する問題に関する議論は、 国会でもテレビ報道でも表だっては為されていません。 秋篠宮妃殿下(紀子さまですね)のご懐妊が判ったからです。
無事にお元気なお子様をお生みいただくことを願うばかりですが、 お生まれになった赤ちゃんの性別によっては、すぐに議論が再開されることになる、ハズですよね。
紀子様ご懐妊が判る前、テレビのワイドショーの街角インタビューなどで、 一般市民が「女系天皇賛成で〜す。愛子さまが天皇になって何が悪いの??」 と答えている場面がよく報道されていました。


穿った言い方になりますが、
本当に先人達が守ってきた日本の文化や伝統を知っていて、 有識者や国会議員たちが躍起になって議論しているポイントを、ちゃんと判った上で 答えている人が何人いたのか、大変疑問でしたね。

マスコミは意図的に情報を選んで電波や紙面に載せている場合も少なくないので、 ワイドショーのそういった放送をすべて信じる訳ではないですが。。。

女性天皇と女系天皇の違い

女性天皇」とは、
文字通り「女性の天皇」を指します。これ以上の説明はありません。
歴史的に振り返れば、初代神武天皇から第125代天皇である今上陛下まで、 10代8人の女性天皇がいらっしゃいます。
  33代 推古天皇
  35代 皇極天皇
  37代 斉明天皇(35代皇極天皇と同一人物)
  41代 持統天皇
  43代 元明天皇
  44代 元正天皇
  46代 孝謙天皇
  48代 称徳天皇(46代孝謙天皇と同一人物)
 109代 明正天皇
 117代 後桜町天皇



【今上陛下(キンジョウヘイカ)】
「昭和天皇」、「平成天皇」という呼び方は崩御された後、つまり死後の呼び名であり、 現在の天皇陛下に対して、「平成天皇」は使用を避けるべき呼び方です。

ニュース報道の中や、 テレビ討論会などに有識者として出演しているような人でも、「平成天皇」と呼ぶ人もいますが、 それは誤りですね。

報道の最前線にいるアナウンサーや、有識者としてギャラをもらって出演している知識人と呼ばれる人達は、 せめてそのくらいのことは勉強してから、公の電波で発言して欲しいものですね〜
女系天皇」とは、
天皇の性別とは無関係です。
言葉としては前述の「女性天皇」と似ておりますが、 まったく別の考え方でして、女系天皇には女系の男性天皇、女系の女性天皇が存在するんですよ。
天皇の母方の先祖をたどれば前の天皇にあたる、と言う場合を「女系天皇」と言います。
初代神武天皇から第125代天皇である今上陛下までの間、女系天皇は一人もいません
前述の10代8人の女性天皇は、すべて男系の女性天皇です。 (父方をたどって前の天皇にあたる場合は「男系天皇」)
仮に愛子様が将来天皇に即位された場合、前述の10代8人の女性天皇と同じと同じ「男系の女性天皇」となります。
問題は「その次の天皇に誰がなるか?」と言うことでして、愛子様がご結婚されて生まれてきたお子様が天皇即位した場合、 長い歴史の中で初の女系天皇が誕生するワケですね。

神社界としての立場

最初に我々神社界としての基本的な立場を示した方が、ここでの話がわかりやすかったですね。
神社界としては、
我々の先人達が125代の歴代天皇に亘り引き継いできた 「男系」での皇位継承を守るべきだ!
という立場です。


【女系天皇容認派の意見】
大まかに言うと 「男女平等」を盾に「女系を認めないのは女性差別だ」という意見と、 「一般社会に於いても深刻な問題になりつつある少子化で、 男系男子による皇位継承は近い将来物理的に無理になるだろう」 の2点です。

Y染色体の神秘 その1(男女の決定)

学校の生物の授業でも習ったと思いますが、我々人間の性別は、精子と卵子が受精した瞬間に決まります。
遺伝子の中には性別を決定するX染色体とY染色体の2種類の性染色体があって、それら2つが組み合わさることにより 性別が決まるんでしたね。

XYならば男性、XXならば女性となります。
(染色体異常などはここでは無視します)
そして成長して精子や卵子が作られる年齢になると、性染色体は精子や卵子に一つずつ入ります。


つまり、精子には、母親から受け継いだX染色体を持つ精子と、 父親から受け継いだY染色体を持つ精子の2種類あります。
卵子は、母親から受け継いだX染色体を持つ卵子と、父親から受け継いだX染色体を持つ卵子の2種類あります。

卵子のX染色体と精子のX染色体が受精すると、XXとなって女の子が生まれます。 卵子のX染色体と精子のY染色体が受精すると、XYとなって男の子が生まれるワケです。

Y染色体の神秘 その2(とある家庭の例)

前述の染色体の組合せをじっくりと見ながら、次の例文を読んでみて下さい。
【登場人物】
私の父(一郎)、私の母(結子)、私(二郎)、私の妻(陽子)、私の息子(三郎)、私の娘(麻央)、私の男系の孫(四郎) 私の男系の曾孫(五郎)、娘麻央の旦那さん、私の女系の孫(六郎)
私(二郎)は、父親(一郎)のY染色体と母親(結子)のX染色体を持っています。

息子の三郎は、私のY染色体、つまり一郎のY染色体と、妻陽子のX染色体を持っています。
三郎が結婚して男の子(四郎)が生まれれば、その子は三郎のY染色体を持っています。 つまり四郎は一郎のY染色体を持っているのです。
四郎が成長して結婚して男の子(五郎)が生まれれば、その子は四郎のY染色体を持っています。 つまり五郎は一郎のY染色体を持っているのです。
男の子が生まれる限り、次男三男と言った分家や傍系であろうとも、 一郎のY染色体をそのまま持っているんですね。
一方、私の娘麻央は、私のX染色体、つまり私の母結子のX染色体と、妻陽子のX染色体を持っています。
麻央が結婚して子供ができると、その子供は麻央のX染色体を必ず持つのですが、そのX染色体が 私のX染色体なのか妻陽子のX染色体なのかはわかりません。
そして麻央は男の子(六郎)を生みました。六郎は麻央の旦那サンのY染色体と、私のか妻陽子のか判らないX染色体を 持っています。
六郎が成長して結婚し、男の子(七郎)が生まれました。 七郎は、六郎のY染色体つまり麻央の旦那サンのY染色体と 六郎の妻のX染色体を持っています。
七郎は私の女系の曾孫に当たりますが、私の家の染色体は全く持っていない事になります。 遺伝子的には、私と七郎はまったく関係がないんですよね。

Y染色体の神秘 その3(歴史のロマン)

上の例文、だらだらと読みにくかったですね。失礼しました… 言いたかったことは、「男系の男は何代さかのぼっても 全く同じY染色体を持っているが、 女系だと2代で全く他人の染色体だけを もつ関係になってしまう可能性がある。」と言うことでした。
私自身のことで言えば(上の例文の「私」ではありません)、私には3人の息子がいますが、 息子達のY染色体は、私と全く同じです。私の父つまり息子達にとっての祖父のY染色体とも全く同じです。
もっと言えば、当社ホームページ内の「歴史>歴代宮司」にある 初代宮司 若狭守重之のY染色体を歴代宮司全員が持っている訳です。 私の父も、私も、私の3人の息子も、遺伝子の中にあるY染色体は、 初代宮司 若狭守重之のY染色体なんですね〜

畏れおおいことですが、ここで皇室にY染色体の話を当てはめて考えてみましょう!


初代神武天皇から第125代天皇である今上陛下までの間、女系天皇は一人もいません、と既にこのページでも ご紹介しました。 と言うことは、今上陛下は、初代神武天皇のY染色体を持っていらっしゃるワケです。
皇太子殿下、秋篠宮殿下ももちろんそうですね。 また直系でなくとも、たとえば明治天皇のご兄弟の男系の曾孫とか、昭和天皇のご兄弟の男系の孫にあたる場合でも、 その方が男であるならば、初代神武天皇のY染色体を持っていらっしゃると言うことになります。

「南北朝時代の混乱もあるし、初代神武天皇なんて神話の世界で実在するかどうかすらわからないじゃないか」 と感じる人もいらっしゃるとは思いますが、そんな野暮なことは言うのよしましょう!
実在するか判らない神話の中の「初代 神武天皇」のY染色体を持つ人間が、 現代に存在する。 まさに日本が世界に誇れる文化であり、歴史のロマンですよね〜

と言ったようなことで、色々と議論が為されております。
初代 神武天皇から125代 今上陛下までの2666年(前述の通り初代神武天皇と言えば 神話の世界と言っていいと思いますので、歴史のロマンを感じていただきながら、 おおらかに2666年と思って下さい)に亘り、日本人が苦労して守ってきた
神武天皇のY染色体(男系男子の皇位継承)

長い歴史の中には、現在と同様に男系での継承が非常に難しい状況にあった時代もあるようです。 その都度、先人達は、知恵をしぼり対処してきました。
その時代の天皇から4代5代さかのぼり、傍系の男系男子に皇位継承を させると言ったこともあったんですよ。
「万世一系の天皇」と言いますが、それは直系男子でつながっている、という意味ではありません。

『初代神武天皇のY染色体をもっている』
これに尽きるのではないでしょうか?
(現在、皇族の男系男子で、男子のお子様がいらっしゃるお家はありませんが、 戦後の占領政策で皇籍を剥奪されたお家には男系男子のお子様もいらっしゃいまして、 男系維持論者が、その方々の皇籍復帰も併せて提案しています。)

黒船来航により開国してからまだ百数十年、
西洋列強の植民地支配におびえながら戦争へと 突入していった明治から昭和初期、
敗戦により占領され、昭和20年から続いた植民地時代。
サンフランシスコ講和条約にて日本が植民地から解放され独立国となった昭和27年。
独立国となってから現在までまだほんの50年余りです。

植民地支配の時代を経た為に、日本が神話の時代から守り受け継いできた 歴史や文化・アイデンティティが分断されてしまっている面が多い、と言えます。
そういった背景の中、現在の我々の常識や感じ方だけで、先人が守ってきた物事を変えてしまって良いのか、 非常に心配です。

とくに、皇位継承が男系か女系なんて言う問題は、具体的に誰かが被害を被る、といったような問題ではなく、 はっきり言ってしまえば、損得勘定(ちょっとニュアンスが違うか…)で考えるとどっちでも良いモノですよね。 だからこそ逆に、現代人の常識だけで「女系でも良いじゃん」と言って変えてしまうべきではない! そう思います。
もうひとつ、誤解を恐れずに言えば、天皇陛下には、陛下のご家族には、基本的人権なんてないんです。
戸籍がないことをご存じでしたか?選挙権、被選挙権もありません。 国籍離脱の自由もないし、引っ越しの自由もない。職業選択の自由だってありません。 恋愛の自由も、言論の自由もないでしょうね。

それらすべてを受け入れて、身をお慎みになり、 今の憲法の言葉で言えば『日本の象徴』という立場にいらっしゃる天皇陛下、 またそのご家族に対して、我々一般人の人権意識や感覚を持ち出して、「男女平等だから女系天皇良いじゃないか」 とか「最初の子供が継ぐのが判りやすくて良い」等というのは思慮が足りないと思います。

この話題は、男系維持論・女系容認論・直系優先論・第1子優先論と色々な意見があります。 ここでは天照大神をはじめとする皇室ゆかりの神々をお祀りする神社の立場として、 私の私見も織り交ぜつつ男系維持論をご紹介しました。 皇位継承問題(平成)には、 各論を判りやすくまとめて記載してあります。こちらもご覧下さい。


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